フリーメーソンが創った国、アメリカ?

    謎めいた秘密結社の起源と歴史とは?

 今年―2017年は、近代フリーメーソンが誕生してちょうど300年になる。

フリーメーソンは、紀元前のエジプトの石工にルーツをもつといわれる秘密結社だが、実際の成立については謎も多い。

 たとえば、12世紀に誕生したテンプル(聖堂)騎士団がルーツになったとか、17世紀の秘密結社「薔薇十字団」がもとになっているとか、さまざまな説が飛び交っている。

 いずれにせよ、ルーツに忠実にかかわっていたフリーメーソンは、「実践的フリーメーソン」と呼ばれる。
 だが、17世紀くらいになると、イギリスやスコットランドでは貴族や軍人、学者、商人などが会員として迎え入れられるようになってきた。彼らは「思弁的フリーメーソン」と呼ばれ、いつしか会の中枢を占めていくようになる。

「思弁的」とあるように、彼らは自分たちを、「古代の叡智を教え伝える者である」と位置づけていた。そのため、流行のコーヒー・ハウスや酒場に集まっては、そこを「ロッジ(集会所)」と称して研究に励み、仲間との情報交換に熱中したのだ。

 1717年、そんな彼ら「思弁的フリーメーソン」に大きな動きが起こった。古くからロンドンで活動していた4つのロッジの代表が集まり、統合的なロッジを開設するための話し合いを開いたのである。