仏教では「空」を宇宙のすべてとするが、そうなら自分を含めたすべてのものは同じ空の産物で、自分と同一の存在体となる。

そのように見れば、すべての事物(他人)も自分を愛するように愛することが出来ると説いているわけである。

 それゆえに仏教の大元である『大日経』では、宇宙の本体と自分を同一化させて「大我」としてとられることによって、それを肉体に限定された「小我」と対比させることによって自己に執着せず、「大我」に生きることが出来るというのである。

 次の教えは、もっと具体的である。

 仏教では「三界(現世)は唯心の所現」と表現し、この世の事象すべては『仮相の世界』だと教えている。

 つまり、この世の一切の現象は自分の心が造り出した「仮相の世界」で、自己の想念を変えることによって世の中(仮相の世界)の事象はいくらでも変えることができると教えているのである。

これは量子力学でいう「人の意識が現実を創造し、客観的な事物は存在しない」という結論そのものといえる。
阿佐田氏がいう、想念によって□の牌が□に変わったという現象を、仏教も量子力学も否定していないのである。

祈り(思念エネルギー)で願望は達成される
 量子力学における最も衝撃的な結論は、「人の意識が現実を創造する」という事実だった。

それも宗教でいう単なる言葉だけの教えではなく、厳密な実験と検証で「この世」の基本原理であることを実証したのである。
科学は「この世」の隠された秘密の一端を、ようやく世紀末にいたって暴き出したといえる。

 人の意識が「死後の世界」を大きく支配しており、どんな遠方にも思念するだけで瞬時(超光速)に行けるとスウェデンボルグは語っている。

 ミクロ世界では、人が見るという行為だけで素粒子は瞬間的に存在態を変え、テレパシーのごとき超光速で内部情報を交換し合っている。

「この世」も基本的にミクロの法則に支配されているわけだから、われわれの想念が現実を創り上げていることも間違いない。

 誰でも人生を振り返ってみれば、ラジオやテレビで伝える虚像世界のことはともかく、自分の意識と行動で自己を取り巻く世界を創り上げてきたことは否定できないだろう。