WIKILEAKS報道の自由を捨て去った  NYタイムズの失態

 内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米国務省の外交公電をスクープしたのは欧米の5紙。うち唯一の米紙ニューヨーク・タイムズに、アメリカの読者から批判が殺到している。国家機密を暴露したことで「国民の命が危険にさらされる」というのだ。

 米政府にとってウィキリークスは「情報のテロ組織」。ニューヨーク・タイムズは、そのウィキリークスの「メディアパートナー」に成り下がった反逆者だー同紙に対するコメントは、こうした怒りに満ちている。

 だが、実際、ニューヨーク・タイムズは米政府にとって「助っ人」の役割を果たした。ウィキリークスが外交公電約25万点をサイトで公表し始めるよりも前に、同紙はメディアとしての独立性を放棄してまで、オバマ政権にその公電を見せたのだから。

 ニューヨーク・タイムズは「読者へ」という文書の中で、アメリカ外交の内実を浮き彫りにする外交公電の公表が「重要な公益に合致すると信じる」と説明。
一方で、同紙が報じる予定の公電を事前に米国務省に見せ、国益を損なう情報があるかを吟味させたと明らかにした。