海底の永久凍土(ツンドラ地帯)で発見されて、日本を取り巻く近海に世界最大のメタンハイドレート層が横たわっていることがわかっている。

2004年一月から、日本近海(静岡、愛知、三重、和歌山の南海トラフ地域)で調査が行われ、その埋蔵量も確認されている。
それだけに、近い将来、日本のエネルギー問題を解決する資源として注目されてきた。だが、実用化に際して問題が一つある。すなわち採算に乗るかどうか、である。

 メタンハイドレートは固体のため、採掘コストが莫大にかかる。

現実的にはビジネスとして成立せず、これまで研究目的以外では採掘されていなかった。

だが、それは原油価格がここまで高くなかった時代の話だ。石炭も、かつて採算割れになった結果、石油にエネルギーの主役の座をとって代わられた。

いま、その石炭を液化する技術が開発され、原油高騰と反比例して採算に乗る資源として再び脚光を浴びている。

 いつ、この次世代エネルギーが採算ベースに乗るともかぎらない。日本企業の技術力ならば、採算ベースに乗せられる日も近いはずだ。
  
  日本企業から続々生まれる代替エネルギー

 原油高騰を大騒ぎしているけれども、今、時代のトレンドは脱石油である。

そして、人類の歴史では、資源バブルを契機として、必ずといっていいほど革命的な代替エネルギーが生まれている。
 スチーブンソンの水蒸気エネルギーに始まって、水力、火力、電力、原子力・・・・・と開発してきた人類の英知。
 金や銀、銅、ニッケル、あるいはレアメタルにしても、廃棄処分となった電気機器や携帯電話などを改修して取り出す技術を開発してしまった。もちろんビジネスとして取り組み、膨大な売り上げと利益を生んでいる。回収した資源をまとめると、鉱山にも匹敵するほどなのだ。

 そこで、これを「都市鉱山」と呼んでいる。良質な金鉱石一トンに含まれる金は五Oグラム相当だが、携帯電話一万台で二OO〜三OOグラムの金が採取できる。

世界中で廃棄された製品をかき集めれば、金六八OOトン、銀六万トンが回収できることがわかっている。これは、世界の埋蔵量のそれぞれ一六パーセント、二二パーセントに相当する。
どの産出国よりも多くとれる優良鉱山なのだ。