突発性難聴 

ある日突然耳が聞こえなくなったら…。
こんな不安が、あなたにも現実のこととして起こるかもしれない。最近マスコミの報道でもよく耳にする「突発性難聴」。この病気は決して特定の人がなりやすいわけではなく、誰もが発症するリスクのある恐ろしい病気なのだ。そして効果的な予防法も無いのだという―。

 01年の厚労省調査によると、突発性難聴の患者数は約3万5000人。最近は患者数の調査は行われていないが、慶應義塾大学医学部の小川郁教授(耳鼻咽喉科学)は次のように語る。

「この病気は、年齢を問わず発症するが、この発症数は30代後半〜40代にかけ増え、50〜60代が最も多い。

 風邪を引いた後や体調を崩した後に発症する人がいることから推測されるのが、ウイルス感染説。

「子供がおたふく風邪のウイルスで聴力が悪くなるというケースがあります。またウイルス性の内耳炎で急に聴力が落ちてしまうことや、ヘルペスウイルスによって顔面神経が侵されて顔が麻痺することもあります。これらと同様に耳の聞こえの神経が、何かしらのウイルスで障害を起こしているのではないかと推定されているのです。

「ストレスを感じると血管を収縮させる作用を持つアドレナリンが出ます。そのため、ストレスを引き金に細くなった血管が障害を起こしているのではないかと考えられています」。